上顎前突とは、上の前歯や歯列全体が下の歯および顎(アゴ)よりも前へ出ている状態で、いわゆる「出っ歯」と呼ばれるものです。
叢生(デコボコの歯並び)と並んで、比較的多くの患者様に見られる不正咬合の一種です。
上顎前突の原因としては、指しゃぶりや爪を噛む癖、前歯を舌で裏側から押してしまう癖など習慣によるものと、生まれつき下の顎に対して上の顎が大きい場合や、上の顎は正常であるものの、下の顎が小さく相対的に上の顎が大きいといった先天的・遺伝的なものとの2つに大きく分けられます。
上顎前突の場合、やはり審美的な問題から矯正歯科医院を受診されることが多いのですが、実は上顎前突を放っておくと口が閉じられないがためにドライマウスになり、むし歯や歯周病、口臭のリスクも高くなってしまうのです。
さらに、上顎前突の患者さまは運動や日常生活における怪我のリスクも高いと言われています。運動で口元が何かと接触した場合や、転んで顔面を打ち付けた場合、正常な歯列であればその衝撃を歯列全体で受けとめますが、上顎前突の患者さまの場合、その衝撃を上の前歯のみで受けてしまうため、前歯の破折や脱臼のリスクが高くなるのです。
先日、上顎前突の患者さま(10歳・男児)がご両親とカウンセリングにいらっしゃいました。体育のバスケットボールの授業中、ボールが顔に当たり、前歯が脱臼。一般歯科で治療を受け、これを機会にやはり矯正治療をしなければならないと考え、来院されたとの事でした。この患者さま、実は乳歯列期にも転んで前歯を折ってしまったことがあったとの事。乳歯の頃から指しゃぶりが止められず、乳歯列期から出っ歯だったという事です。
審美的な面や、口腔衛生状態の面からのみではなく、怪我のリスクといった面からも、矯正治療の必要性をご理解いただければと思います。
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