よい歯並びとは、永久歯が28本きれいなアーチ状に生え揃っており、でこぼこがなく、上下の歯がしっかり咬み合っている状態です。
矯正治療が必要な歯並びにはいくつも種類があります。その中からよくある症例をご紹介します。ご自身の歯並びのお悩みがどのタイプに当てはまるのかチェックしてみてください。
歯がでこぼこしている <叢生(そうせい)>
●歯列がでこぼこしていると感じることがある
●歯に食べカスが残りやすい
●八重歯がある・犬歯などが飛び出している
顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪く、歯の生える場所が足りない状態です。そのため、歯が重なったりでこぼこに生えたりしています。歯が磨きにくく、むし歯や歯肉炎を起こしやすく、歯周病にまで発展すると、若くても歯を失う可能性があります。
受け口 <反対咬合(はんたいこうごう)/下顎前突(かがくぜんとつ)>
●口を閉じると、下の歯列が上の歯列よりも前に出ている
●顎がしゃくれている
●下顎が大きい
●うまく咀しゃくができない
●言葉が聞き取りにくい、滑舌が悪い、と言われることがある
咬み合わせたとき、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態です。遺伝的要因が大きいとされていますが、上唇を咬んだり舌を突き出したりするなどの癖が原因となる場合もあります。永久歯の生え変わりや顎の成長バランスをみながら、矯正開始時期を見極めなければいけません。
出っ歯 <上顎前突(じょうがくぜんとつ)>
●上の前歯が下の前歯よりも前に出ている
●上唇が上ったままで、口を閉じにくい
●無理して口を閉じると、口元が不自然に歪む
前歯の角度異常や成長し過ぎた上顎、あごの成長不足、お子さまの指しゃぶりや唇を咬む癖などが原因です。また、発育過程で鼻に疾患を抱えて口呼吸になっているお子さまにも多く見られる症状です。
咬み合わせが深い <過蓋咬合(かがいこうごう)/ディープバイト>
●咬み合わせると、上の歯が下の歯を隠してしまう
上下の歯を咬み合わせたまま口を開くと、下の歯が4分の3程度見えているのが正常な状態ですが、下の歯がそれ以上隠れている場合は、過蓋咬合の可能性があります。乳歯を早くに失くしたり、むし歯による奥歯の欠損を放置したりすると、咬み合わせが深くなります。笑ったときに上顎の歯肉が見えたり、下の前歯が上顎の内側の歯肉を傷つけて炎症を起こしたりすることもあります。
前歯がうまく閉じられない <開咬(かいこう)/オープンバイト>
●咬み合わせても、上の前歯と下の前歯の間に隙間ができてしまう
●舌を前方に突き出す癖がある
●麺類などの食べ物が前歯で咬みづらい
上下の前歯を閉じても隙間ができてしまい、食べ物を咬み切ることが難しく感じられるかもしれません。また発音もしづらく、滑舌が悪くなってしまうこともあります。子どもの頃の指しゃぶりや舌を突き出す癖、唇を咬む癖、口呼吸などが原因です。
すきっ歯 <正中離開(せいちゅうりかい)/空隙歯列>
●歯間が空いている
●サ行などが発音しにくい
顎と歯の大きさが合っていないこと、そもそも生えてきている歯が足りないことが原因です。歯と歯の間に隙間ができてしまっているので発音がしづらく、見た目もよくありません。